こどもの矯正治療(1期治療)
こどもの矯正治療(1期治療とは)
歯列矯正治療は、「1期治療」と「2期治療」の2つに分けることができます。
1期治療とは、子供の矯正(小児矯正)のことをいいます。
治療期間は約1.5~3年(来院回数16~36回)が目安です。
1期治療
- 対象
- 子供
- 歯の生え代わり状態
- ・乳歯列期 ・混合歯列期*
- 主な治療装置
-
- 取り外し式
- 固定式
- 取り外し式
- 治療の内容
- ・顎(あご)の成長促進・抑制
・歯列弓の拡大
・癖の除去
*混合歯列期とは、歯の生え代わり時期。乳歯と永久歯が混在する状態。
2期治療
- 対象
- 大人
- 歯の生え代わり状態
- ・永久歯列期*
- 主な治療装置
-
- ブラケット
- マウスピース
- ブラケット
- 治療の内容
- ・歯の移動
*永久歯列期とは、すべて永久歯の状態。
こどもの矯正治療の内容
1.習癖の除去(指しゃぶり)
歯並びを改善に導く成功要因の1つとして、歯並びを悪くしてしまった原因を除去することが大切です。
歯並びが悪くなった(悪くなる)原因として、口呼吸、舌の癖、指しゃぶり、頬杖などの生活習慣である場合があります。
矯正装置を使用することで、このような癖を除去することが可能です。
2.顎の成長促進・抑制(出っ歯)
動画は、一見、出っ歯に見える状態です。しかし、実際は下顎が劣成長な状態のお子さんです。子供の成長期を利用して、後退している下顎を前に引き出すように顎の成長をコントロールしています。
こどもの矯正治療のメリット
メリット① 1期治療は2期治療に比べて、治療中の痛みなど治療中のストレスが少ない
1期治療と2期治療の違い
装置の種類 | 痛み・違和感 | 歯磨き | |
---|---|---|---|
1期治療 | 取り外し可能 *取り外しできない装置も一部有り。 |
軽 度 | 磨きやすい |
2期治療 | 取り外し不可能 *取り外しできる装置も一部有り |
慣れるまで 痛み・違和感がある |
1期治療より 複雑 |
1期治療は成長期の子供に適応されます。
メリット② 抜歯を回避する可能性が高くなる
永久歯は、乳歯の位置に誘導され萌出します。しかし、(動画のように)もし、永久歯が出てくるための十分なスペース(場所)がないと、歯が重なりあってしまいます。
こどもの矯正治療は、永久歯が正しい位置に生えてくるための場所を確保することができます。この結果、「抜歯をしなくて済む」成果を出すことができる場合があります。
メリット③ 手術を回避する可能性が高くなる
大人の受け口(反対咬合)治療の際、オペ(手術)が必要となる場合があります。 下顎(下のあご)を分割して、突き出ている顎(あご)を引っ込める方法です。
受け口のお子さんが9~10歳頃に矯正治療を開始することで、このような手術を回避することができるのも大きなメリットです。
下顎骨のスパート(成長度合いが強い時期)する前に反対咬合を改善しておくと、安定した被蓋関係により下顎骨の成長スパート時に下顎骨の過成長を抑制し、さらに上顎骨の成長促進をすることができます。
これは、正常な被蓋関係(前歯の前後関係)の子どもは成長期に顔が面長に変化する(下顎骨の前下方への成長による)にもかかわらず、反対咬合にならないことからも推察できます。